2025/09/15 09:29

自室にてサンプラーで音楽制作とも遊びともストレス発散ともつかない堂々巡りをしていた頃の事を記そうと思います。

当時の(今もですが)生活環境ではもうバンド活動を続ける余力は無く、もし次に自分の音楽を生むならそれ以外の方法をとるしかないなあ、などと生活の隙間時間に時々考えていました。たまたま殆ど触っていないサンプラーが手元にあったので、もうこれしか無いかなあという感じで触り始めましたが、操作方法の習得以前の問題がありました。「自分はどんな音楽を鳴らしたいのか」というものです。

電子楽器を使った音楽と言えばテクノやハウスなどのクラブミュージックやヒップホップ、或いはノイズなどのアバンギャルドミュージックが頭に浮かびます。しかし自分はそういった音楽には余り縁がありませんでした。勿論全く無縁という訳では無いにしろ、自分でやろうと思った事は無かった。

勉強しなきゃなあ…など思いレコ屋に行っても、結局自分の好きなロックやブルースや民族音楽、主流から外れたヘンテコな音楽を買ってしまうし。

勿論、有名無名に関わらずテクノやらのクラブミュージックを聴くと確かにカッコよく、ドラマーとして人を踊らせたいと努力してきた自分にとっても新鮮でした。が、その音楽の緻密さを知るにつれ、自分の様な大雑把な人間には無理だなとの思いも強くしました。

ただ、そういった音楽を生むミュージシャンのインタビューや語る言葉はとても面白かった。石野卓球が音楽の出発点として語った「ガレージ・パンクをエレクトロニクスを使って表現する」にもムゥ…それは面白い!など思いました。又、特に海外のミュージシャンやシーンの政治性、社会問題へのコミットに「あれ?自分のいた場所と全然違うぞ」と世界が開く感覚がありました(じゃあ自分が政治に目を向ける様になったかというとその時は全然無かった)。

音楽そのものより、バンドとは異なる形で音楽を生むアーティストの精神性に共振し始めた…と言うか、「アレ?この人らの方がロックじゃん」と思わざるを得なかった。「俺も自分が今まで生んできた音楽を、エレクトロニクスで表現すれば良いんじゃないのか」と思い始めました。

続きは次回。お楽しみに。音源発売中です。収益は虐殺の進行しているパレスチナの為にUNRWAに寄付します。